アピールせずにはいられない
キラキラ女子はゲスを極めた乙女。
出版社勤務、ファッション大好き、独特の感性を持っていて、絵が上手、顔可愛い、文章上手い、ただただ中身がゲスの極み乙女。な[Mちゃん]
その子のブログがほんとにすごい。
彼氏のアンダーヘアを処理した話とかguは目玉商品以外はクソ以下とかなかなかきわどいところをついてくる。いまどきのキラキラ女子を気取っている女どもは読んだら自尊心が傷つくこと間違いない。隅から隅まで読むことをおすすめする。(URLはいつか載せるね)
そんな彼女と歌舞伎を観に行った。体調を崩した母の代わりに同行者を探したら彼女が手をあげてくれた。
会うのは1年以上振りだったかな…。
相変わらずだった。歯に衣着せぬ物言い。なおかつ言葉のチョイスが絶妙。
冒頭にも書いたがマジで顔面偏差値高いし、ファッションセンスもかなりいいんだよ。
話す内容はファッションのこと、お互いの近況、センテンススプリングに載ってそうなゲスな話…。歌舞伎座横の文明堂カフェで高貴なおばさまに囲まれながらそこに似つかわしくないお下劣な会話で盛り上がったのち、歌舞伎座へ。
歌舞伎は初めて観たらしいんだけど、私は[Mちゃん]にまったく気を使わなかった。
だいたい「初めて観劇する~!楽しみ~、キャピ☆」みたいな子に対してはこっちが気を遣ってしまうのがとてつもなく面倒で私自身が舞台を楽しめないからあまり行かない。観劇慣れしてない友人を連れて行くのは想像以上にこちら側に労力が必要なのだ。(よく軽い気持ちで「え、連れてってよ~♡」と人の趣味に土足で踏み込んでくるヤツらへ。チケット手配やら気遣いやら連れて行く方は色々大変なのです。肝に銘じておきやがれ)
彼女なりに楽しんでいたようだ。[Mちゃん]は人のことを気遣いながらも相手と心地よい距離感を保つことができる。私は正直特別目当ての役者もおらず、幕間に入るたびにアルコール臭がきつくなる隣のじじいが気になったりして、見入るというよりはラフに観劇していた。そんな私の隣で彼女はなにやら真剣そう。観劇後には「吉田屋*1(上演された演目のひとつ)が楽しかった~」やインスタグラムで「癒された~」などと淡々と感想を話してくれた。招待券を私が貰っただけだというのにお礼にお洒落な資生堂パーラーのお菓子までくれた。
私は人生かくかくしかじかあったもんで、転職活動中いわゆるフリーターだ。転職理由は社畜ゆえに心を病んだから。人間いろんな人がいるもんで大して仲良くない人ほど心配を装って私の怒りスイッチを押してくるような言葉を浴びせてくる。殺意が芽生える。辛かったことから逃げてきたのに蒸し返さないでくれよ。
彼女はハレモノを扱うように接してくるわけでもなく、普通のテンションで私と対話してくる。なんでもかんでもなんか素直に彼女の前だと話せちゃう。無理をせず、繕わず、でも本音で話せちゃう。
私は[Mちゃん]みたいになりたいっ☆可愛くてなんでも素直に話すことができちゃう彼女が大好きっ♡
うさんくさい文章だけど私の思いはホンモノだ。私には彼女が宝塚のミラーボールより光って見えるよ。
キラキラ女子め、こういう女になってみろ。思ったことを嫌味なく素直に吐き出せる、そして相手にもそうさせるような女になってみろ。スイーツ作ってインスタにあげて、可愛くもないのに決め顔して大して効果のない美顔アプリで加工したってむなしいだけなんだから。
そうは思いながらも今日も素敵な光景を写メして、一生懸命加工したのちインスタにアップする口だけ番長の私。
*1:紙の着物を着ているくらい貧乏になっちゃった主人公が惚れた女に会いに行って、ラストにはいいタイミングで勘当されてた親から身請け金が届いちゃう大変ハッピーな話。超ハッピーって喜んでた
嫌よ嫌よも好きのうち
こんなひねくれ者の私にも、友達はいる。なんだったら多い方だ。沈黙が嫌いだから人がいるとペラペラ話してしまうからだろうか。一応親友と呼べそうな人も何人かいる。
大学のサークルで知り合った[R奈ちゃん]。
お目目が大きくてビジュアルはお人形さんみたいな感じ。
大きさは私の数倍小さい。一応人間。
はじめは私と仲の良かった不思議系芸術型少女[Y]を介してだった。
そのうち私と[R奈ちゃん]でいる時間が増えて、最終的にはよく一緒にいるよねとセット呼ばわりされるほどになった。
とはいうもののお互いにサークル外での友人も多いし、大学も違ったし、共通で仲良い子が多い訳でもない。私はサークルの後輩と結構仲がよかったりするけれど、[R奈ちゃん]はプライベートでの付き合いはそんななさそう。あと[R奈ちゃん]は飲兵衛だから飲み会へのフットワークが軽い。私は飲み会嫌い。ね?結構なんで仲良しなの?みたいな感じじゃない?
まぁなんか波長が合った。好きなジャンルは違うけどお互いの趣味は観劇、アイドルも好きだし、ファッションも好き。女子校出身だし。二人で短い道のりを迷って迷子になったり、家事をしないがために使い方が分からなかった電子レンジの前にふたりで立ちすくんだこともある。ちゃらんぽらんだ。
私は彼女のように容姿に恵まれている訳でもなく、サークルにいる子たちほど自意識過剰でもないから、自分のことがあまり好きではない。加えて嫉妬もするし、拗ねるし、ものすごく面倒な人間だ。
私の就活は本当に苦難だらけだった。夢に向かって突っ走り、たかがMARCH以下の女子大生には手の届かない場所ばかり目指していた。みんなが内定の話をし始めてからも私には内定がなかった。要領の悪さ努力不足色んなことが原因だったけれど、私の中でなにかがキレた瞬間があった。
就活スロースターターだった[R奈ちゃん]が速攻内定をとってきた。
私とは違う業界だし、関係ない…。でも私は努力しているし!!あの子だって私と同じようなもんじゃん…。悔しいというか、世の中がとにかく理不尽に思えた。
その日を境に私は友達と連絡を取らなくなり、道端で急に泣き出したり、死にそうになって遠い友達(顔を合わせなくて済む子)に電話したりとかなり情緒不安定になった。顔が可愛いからだ。全然努力してないくせに。こう思って自分の落ち着かせようとしたけど、みじめになっていくだけだった。超メンヘラだった。*1
どん底にあった6月。 [R奈ちゃん]は屈託ない笑顔で私の誕生日会を開いてくれた。行くかどうかすごく迷ったし、正直あの日は心から楽しめた訳ではなかったけど、でも久しぶりに友人と話す機会を設けてもらい、少しずつだけどなんだか元気になっていった。
秋に[R奈ちゃん]のお誕生日があったから私はお手紙を書いた。素直に書いた。たぶんあなたに嫉妬してました、気を遣わせてしまったかもしれない、でもお友達でいたいです。みたいな内容。泣いたって言ってたな~(狙い通りです)。
結果的に私は夢をかなえたものの、完全に挫折し、1年あまりで退職することになった。
でも彼女にとってはそれがすごく刺激的だったみたい。
今まで自分と同じようにピーヒャラしてた私が単身兵庫で働いていたことが。
毎日泣きわめき、たまに本気でやりがいを感じ、毎週のように休日出勤をし、仕事を忘れようと空いたわずかな時間で遊び倒し、それによって疲れ果て衰弱していく私を見て、「私[R奈ちゃん]、このままじゃダメだ~」と思ったらしい。そして関東に帰って来た満身創痍だった私をねぎらってくれた。褒めてくれた。
この[R奈ちゃん]の思いをラインで聞いたとき、なんだか知らないけど嗚咽するくらい泣いた。自分のことが好きではない私は勝手に人と比べて劣等感を味わっていたみたい。肯定されることに慣れてないから、どうしていいかわかんなくなって泣いちゃった。
そうして[R奈ちゃん]は一人暮らしを始めた。
まな板買ったのに包丁はないし、初めての洗濯では洗剤を入れ忘れ水洗いした。
相変わらずちゃらんぽらんだ。
一人暮らしを始めたところで「[R奈ちゃん]はそのまま」だ。
自己肯定がなかなか出来ないからこんな物言いしかできない。でも褒められたら泣いちゃう。私結構可愛いトコあんじゃん~♪
自分でも気づかなかった自分の気持ちを[R奈ちゃん]に気付かされた。
なんだろう…悔しいな~。
結局私はこのちゃらんぽらん少女に一生勝てない気がして、そしてまた卑屈になる。
(これ私なりの愛情表現)
*1:かまってほしくなかったからメンヘラの逆かも…。
悪運強し
年始に明石家さんまが出てる教授が「チーン」って鐘を鳴らしてウンチクを語る番組で「運のいい人はいるかいないか」がテーマの回があった。
おみくじは信じてない人しかひかないとか。*1
笑う門には福が来るは研究によって証明されてるとか。
その中で興味深かったのは運が良い人の特徴。
①現金を持ち歩いている(私はカードとATMだより。1つめからアウト)
②よく笑う
③一人で食事をしない(時と場合によるよね。人と話すことによって自分が得することに関する情報が聞けたりするみたいな感じだったかな)
④メモを持ち歩く
この番組を見た数日後、友人と食事をした。
彼女を分かりやすく説明すると意識高い系女子。
「自分にはもっとポテンシャルあるのに…」とモヤモヤしながら過ごし、その思いが爆発した結果、転職。ビジネススクールに通い、ソーシャルビジネスのなんかを起業したらしい(すんません、私には理解しきれんかった)。なおかつ自己啓発も忘れない*2。
その子がなんとメモ帳を持っていた!!!
私と牛カツを食べた後に、起業仲間さんと今後についての会議があるそうで。その会議でメモするのかな?
中身を快く見せてくれたので凝視してみた。
自分のやりたいことのプランやら会議の議事録、ちょっとした落書きみたいもの…。
「運がいい人はね、メモを持ち歩いてるんだって~」と私が話すと「確かに運はいいかも」と打ち合わせもしていないのに私が欲していた回答が返ってきた。
ビジネススクールのコンテストに出場しそこで同じ志を持つ人に出会えたこと、自分のやりたいことが出来て共感できる経営者のいる転職先に偶然にも入れたこと。
「うわ~いかにも意識高い系女子っぽい」と感じ、若干引く人もいると思う。彼女は実際意識が高く、それを実行に移すことがリアル出来る女である。意識高い系ぶってるキラキラ女子とは違う。
うわ、これガチじゃん。と思った単純な私はメモ帳を持ち歩くことを決意した。
でも私のダメなところ、決意したのにメモ帳を買わず、1週間近くが過ぎた。
そして昨日もう一人、運の強いヤツがメモ帳を持ち歩いてることが発覚した。
彼女は所属していたサークルの同期。不器用さと自身の適当さ(遅刻魔)ゆえに周囲から不満を買うこともとてつもなく多かったが、才能豊かな彼女に任せれば絶対いい結果がついてくる!と同期からなんやかんや信頼されていた悪運の強い女だ。
いるでしょ?「この子ほんとすごい!」って思うけど、「よくよく考えたら結構トラブルメーカーだったよね」、って子。
彼女が体験談や流行りものを紹介するブログで自分のスケジュール帳について紹介していた。今年はマンスリータイプの手帳にプラスして、TODOリストや手帳に書ききれない予定、落書きや思いついたことを書くノートを持ち歩くんだって。
マジかよ
これマジなやつじゃん…
このブログを読んだ翌日、そう今日、私はさっそくメモ帳を買ってきました…。
メモを持ち歩く彼女たちに共通するのはパワフルさ。自分が何かを発信するためには周囲を巻き込まなくてはいけない。巻き込んで、批難されて、それでも理解してもらって最終的には自分の思い通りに丸く治める。これを悪運と表現したけど、まぁ悪いことじゃないよね。
今まで思いついたことや気付いたことはいらない紙の切れ端に書いて手帳にはさみ、邪魔になったらポイ捨てしてた私。*3
今日からは悪運系女子にあやかりたいと思います…。効果はいかに…。*4
本当の怖さ教えてやるよ
女子校出身者に対して「なんか女子校って怖くない?」と言う共学出身者がよくいる。これは「共学にいた私可愛いでしょ(≧∇≦)b男の子の目を気にして毎日ブリブリしながら過ごしてたの♡女子校なんていじめとかあるんでしょぉ?」という自己肯定の言葉だ。私は小学校から大学までを女子校で過ごした。なんだよ、私の人生全否定か?なんだったら母親も祖母も小学校から大学まで女子校だよ。よーく聞け、共学出身の野蛮人ども(ごめん、言い過ぎた、反省はしてない)、本当の女子校の怖さ教えてやるよ。
私の女子校生活は目立ったいじめなどもなく平凡に過ごした。そう、怖くはない。女子のどろどろした派閥争いとか想像してた野蛮人ども、残念でしたぁ~!
でも女子校出身というだけで持たれるイメージによって起きた弊害は多々ある。
まず、女子校に対するイメージとして、お嬢様があげられる。
これは半分当たりで半分正解。お嬢様で共学に通っている人も多いだろうしね。
私はどちらかというと親御さんが会社員という世間知らずかもしれないけれどわりと地に足のついてる系の方々と仲がよかった。(私の父もサラリーマン)。私を含め、そういう子たちは特別にお嬢様という訳ではなかった。
もちろん○○の社長のお嬢さん、とかもいる。海外に別荘を持ってたり、価値も分からない段階からブランド物のめがねやら財布を平気でランドセルから出す子もいた。(「[Y華ちゃん]CHANELってところのメガネだ~」とブランド名だけ知ったのちに「CHANELって高いんだね!」とブランドの価値を知ることも多々あった)。でもそんな格差を気にしたことはない。なんてったって小学生の頃から一緒だから。
そう、小学生の頃は誰も自覚症状がない。シャッチョサンの娘も、しがないサラリーマン家庭の私も平等なのだ。価値観が形成されてない段階から同じ環境で過ごすのだから。
多くの人間は年齢が上がるにつれて「私は女子校出身、お嬢様なのよん」という自覚症状を持つようになる。
幼稚園、小学校出身者は気付いたら「クラスのみんなが女だった」というだけ。だから「女子校らしく振舞わなきゃ」とかいう意思がない。
しかし中高大では「自分は女子校に入学するっ」という強い意志を持った人たちが入ってくる。「私女子校出身だから~」とか言って高校3年間だけ女子校のヤツは多い。気を付けろ。そいつは自分が女子校に入れば素敵なイメージがつくと分かっていて入学したヤツだ。16年通ってた私からしたら鼻で笑ったついでに鼻息で吹っ飛ばしてやりたいくらいだ。
特に驚いたのは大学に入ってから。私は首都圏合コンしたいランキング1位の有名なF女子大に入学した。きっとみんな上品でおしゃれでキレイな子なんだろう…そんな期待と馴染めるかな…という不安を抱えて行った初日のオリエンテーション。
え…?むしろ…イモい….。
話を聞けばみんな普通に公立高校出身だし、一般家庭の子。私みたいな地に足ついちゃってる系の女子校出身者ですら逆の意味で浮いた。よっぽど高校時代のがみんな大人びてたわ…ブヒブヒいわせてたわ…。
そう、たいていの学生は4年間をかけてF女スタイルに洗練されていくのである。「私はあの!有名なF女大の学生ですぅう!」そう名乗るのにふさわしい女性へと変化するのである。
Superfly*1みたいに頭にミサンガのような紐を巻いていた[Sちゃん]は4年のうちにコンサバファッションに華麗に変身していた。足が小さいため合う靴がないと悩みスニーカーやブーツばかり履いていた[Iっち]はマルイでスモールサイズのパンプスと運命の出会い*2を果たし、めでたくパンプスデビューを果たした。おそらく大学に入るまではパンプスを履きたいという悩みもなく過ごしていたのだろう。背負っていたリュックはいつの間にかサマンサタバサになり、最終的にはヴィトンになった。
そして私みたいな庶民は浮くんじゃないか…という心配とは違う意味で私は他の学生たちとのギャップを感じることとなる。
「私のおばあちゃまがね…」と話したら柔道部出身の[Sさん]に「なに?ふざけてんの?」と言われた。なにもふざけてないのに。どうやら祖父母を「おじいちゃま」「おばあちゃま」と呼ぶ風習が彼女にはなかったらしい。
「こええ……」
ふざけてなんかいないのに。お嬢様ぶってもいないのに。会って数日の人に「ふざけてんの?」とか言われたことねえよ…。
そう、私は知らず知らずの間に「庶民のくせにお嬢様的な振る舞いを身につけてしまった系女子」なのである。
半分居たリアルお嬢様たちに洗脳され、振る舞いだけはイッチョマエのお嬢様になっていた。
昼食のことを会食と呼び、さらにそれをナイフとフォークで食し、体育館で卒業式をするのは金八先生とごくせんだけだと思い込んで過ごしてきた12年。友人主催のお誕生日パーティーに行けば渡したプレゼントの倍の金額のお礼の品物が返ってきた。もちろん会場は都内の高級ホテルやレストラン。よそいきワンピースの1着や2着は持ってた。
この振る舞いや環境は普通ではないのですよ、と教えて貰わぬままリアルお嬢様と同じように過ごしてきてしまったのだ。
こうして私は引き下がれなくなった。いくら自分が一般庶民だと主張しても「ゆうて女子校出身じゃん」で片づけられてしまう。
→否定するのも面倒になる
→そうじゃ、私はお嬢じゃ!というキャラ設定で生きていくこととなる
本当のお嬢様と友達になり、同じ環境で過ごしてしまったゆえに起こった悲劇。
私をお嬢様呼ばわりしたみなさんに叫びたい。
ホンモノのお嬢様は埼玉の3LDKのちっぽけなマンションに住んでねえよ!!!!!