目指すは遥か彼方、天上である
「目指すは遥か彼方、天上である」
元宝塚雪組トップ娘役、愛原実花さん*1が、相手役であったトップスター水夏希さんについて話したときに出た言葉だった。これ、水さんのポリシーなんだって。
[Y]とランチした。
どこで拾ってきたの?というくらい色んな人(まぁほぼほぼオトコ)と交流を持っている、まぁ美人なんだけど性格に少々問題のある子だ。(私とは気が合う)
私はこうやって人を馬鹿にしたような口調でブログを書いてしまうような非常に浅はかな人間である。
以前にも書いたように私は非常に自分に自信がない。ゆえに、他人の劣っているところを見て、自分を元気づけている節がある。
「自分よりレベル低い子といるとなんか私まだ大丈夫だ~ってなるんだよね」
そんな風に話したら彼女は私に
「下ばっか見てると自分のレベルも下がるぞ」
と言ってきた。
雇用形態で人を差別する訳ではないが、大学に進学し、私の周囲の友人たちはほとんど就職した。アルバイトをしている子も多いが、それは本人たちの夢や目標があってのことである。しかし、就職活動もロクにせず、定職にも就かず、大して勉強もしてないという人種も少なからずいるらしい。
「すごく立派に働いてたじゃん、偉いよ!」
偏差値の低かった我が母校の一部の友人たちは、私がF女大に行っただけで褒めてくれるし、就職しただけで尊敬のまなざしを向けてくる。
確かにな…。その瞬間私はとても優越感を覚えた。
でも、そんなちっぽけなコミュニティーで褒められただけで浮き足立っていいのか?
「だからレベルの高い人たちと付き合う。でもその人たちにとって自分はバカな人間だから相手にしてもらえる程度の勉強はするわけ」
W大卒の[Y]は私と比べたら地頭も数万倍いいのに今も日々勉強の毎日らしい。
そういや家に遊びに行ったときにノートを見せてもらったけど、意味わかんない英語が羅列してあったな…。あいつの日常使いのノートですら、私にはもう理解できない。
友人を切り捨てるなんてことはしないけど、「人は人、自分は自分」精神がめちゃめちゃ大切ってことは、バカな私にもわかった。「これでも平気じゃん~」と下に標準を合わせて自分を甘やかすより、「この人の言ってること理解できるようになろう!」と自分の了見広げたほうが人生何倍も得する気がする。
確かに…。退職して「あんたは偉いよ、お疲れ」って[Y]に言われたとき、すっごく嬉しかったなぁ。立派に勉強して働いて頑張ってる人から貰う言葉。小さなコミュニティーで褒められる何倍も価値がある気がした。
女の子は字がきれいでお箸が綺麗に持てて身だしなみがきちんとしてればオッケー♡
そんな時代は終わったんだ。
「無知って罪だと思うんだよね」
帰り際にボソっと[Y]が言った。
だからまだ観たことない、よく知らない歌舞伎を観てみたいんだって~。
歌舞伎には大向こうっていう独特の文化?がある。
「中村屋!」とか「待ってましたぁ!」とか。これ言う人を大向こうさんと言います。
あれ基本的には男性しか掛けちゃいけなくて*2、その上タイミングもすごく難しくて、今結構歌舞伎ファンの界隈では大向こうマナーが話題になっている。それを話すと[Y]は「花火のたまや~」のテンションかと思ってたと言った。
彼女は歌舞伎の話題を私に振ったことで「知」が増え、またひとつレベルアップした。
そんな[Y]はオーケストラを聞きに行ったときに楽章ごとにいちいち拍手をする観客が多くそのせいで演奏が中断されてしまい、しまいには指揮者が観客へ「拍手は嬉しいけどやめてほしい」と呼びかけるという場面に遭遇したと話した。
「知らなかったから」では済まされないことが世の中にはたくさんある。予備知識なしでなにかを楽しむことはおおいに構わないが、無知のせいで自分の愚かさを露呈し、人様に迷惑をかけるということがあるのだ。
人と付き合う上で、この世で生きていく上で、「無知」は罪なのだ。
リスペクトを持って、その人、その事柄にとって失礼のない自分になっていく。はじめからなれなくてもいい。出来る限りのことをする、そういう姿勢でいる。これが誠意なんだろうな。
「目指すは遥か彼方、天上である」
あ~、舞台姿だけじゃなくて、心意気も水さんはかっこいいなぁ…♡
はじめから天上は無理だからまずはスカイツリーくらい。[Y]にバカにされないレベルの女になるところから始めようか。
おまけ*3